今回は、ホームページを海外サーバーから国内サーバーへ引っ越す際に、起こる可能性のある不具合や不具合を起こさないための事前準備についてご紹介します。
今回、実際に行った事例は、海外サーバー「HostGator(ホストゲーター)」から国内の「さくらサーバー」へデータ引っ越し作業です。ホームページをダウンさせない、メールの送受信エラーを起こさない(もしくは最小限にする)などの不具合を防ぎながら、サーバーの引っ越し作業を行いました。
1. まずは現状把握
まず、ホームページの置かれている状態を把握する必要があります。調べたところ、下記のような状態に置かれていることが分かりました。
- ドメインとサーバーはそれぞれ別会社で管理(どちらも米国の会社)
- DNS設定がサーバー側で設定されている
ドメインとサーバーをそれぞれ別の会社で管理しているため、サーバー間の引っ越し作業のみで簡単に切り替えが行えると予測していましたが、DNS設定がサーバー側で設定されているために、まずはDNS設定を通常通りドメイン側で再設定する必要があります。
2. DNSをドメイン側で再設定する
現在、サーバー側で設定されているDNS設定をドメイン側で再設定する必要があります。しかしここで次なる壁が。今回のドメイン会社では「サーバー側でDNS設定がされている状態では、ドメイン側にDNSを設定することができない仕様」となっていることが分かりました。
まずはこの状態を解決する必要があります。どのような作業でも不具合を起こさずにサーバー引っ越しを行うことが最優先です。行った作業は次の通りです。
- サーバーのDNS設定を切る
- ドメイン側にDNSを設定
サーバーのDNS設定を切ると不具合が起こりそうですが、一度切れてもインターネット上に反映されるまでは少しタイムラグがあるため、すぐにはサイトダウンなど不具合が起こることは少ないです。
サーバー側のDNS設定が切れたことでドメイン側のDNS設定が行えるようになりました。この少しのタイムラグの時間内で早急にドメイン側にDNSを再設定します。結果的にホームページのダウンタイムは発生せず、メールの送受信も問題なく動作させておくことが出来ました。
3. さくらサーバーでのデータ準備と確認
引っ越し先の「さくらサーバー」はサーバー引っ越しが行いやすいサーバーです。公開準備ができたら切り替えるだけですぐにサイトを公開することが出来ます。
念のため、サーバー引っ越し前に「さくらサーバー」にデータを準備し、仮ドメインを設定しました。事前に不具合が起きていないかの確認作業を行うためです。
すると、問い合わせフォームからのメール送信が行えない不具合が起きていることが判明しました。問い合わせフォームからのメールが届く先のEメールは稼働しています。これについては、下記のような原因が考えられました。
- お問い合わせフォームのプラグインが作用
- お問い合わせフォームの設定が合わない
- Googleのメールサーバーを利用するためのSMTPプラグインの問題
- サーバー側の設定の問題
4. 起きている不具合の原因を検証、解決する
原因を1つ1つ検証したところ、前述の不具合は「さくらサーバー」の設定が原因になっていることが分かりました。今回はサーバーメールではなく、外部のメールサービス(Googleドメインメール)を使用します。この設定を「さくらサーバー」上で行ったところ、問い合わせフォームからのメール送信が通常通り行えるようになりました。
他に不具合は確認できなかったため、サーバーの切り替えを行い、正式にホームページを公開しました。
5. ホームページを正式公開
海外サーバーから国内サーバーへの引っ越し作業はこれで完了です。
サーバー会社にはそれぞれ特徴があるため、その特徴に合わせて作業を行うことが望ましいです。サーバー引っ越しについても、サーバーやホームページの状態、ドメインの設定など、ホームページごとに気をつけるべき点は異なります。あくまでご参考にしていただければ幸いです。