サーバーとは、ホームページのデータを置いておく倉庫のようなものです。そのため、サーバーを切り替えることは、作業に伴うホームページのダウンやメールが届かないなど、様々な不具合を引き起こす可能性があります。外部に依頼する場合は作業費もかかるため、サーバー引っ越しを行うかどうかは慎重な判断が大切です。
サーバー会社はそれぞれ独自の特徴やUI、ツールを提供しています。サーバー会社によってサービス内容が異なっているため、引っ越し先のサーバーを選ぶ際はホームページの運用目的を考えながら判断すると間違えにくいです。
今回は、これまでにご相談いただいた事例から、ホームページの置かれた状況からサーバー引っ越しをした方が良いとご提案したお客様事例をご紹介します。実際にサーバー引っ越しを行った事例ですので、引っ越し後の状況も参考になるかと思います。
サーバー引っ越しを行った際のホームページ状況について
1.サーバーがSSLを提供していなかった時
「ホームページをSSL化(https化)したい」というご要望をいただいた際、調べてみるとご利用中のサーバーではSSLサービスを提供していないことがあります。SSL化は閲覧者に安心感を与える上、Googleも検索結果に反映するなど重要視しています。お客様がホームページのSSL化をご希望されており、ご利用中のサーバーでSSLが使用できない場合には、お客様にサーバーの引っ越しをご提案しています。
サーバー引っ越しを行わない場合
お客様のホームページがSSL化されていなくても、お客様がSSLの必要性を感じられていない場合は、提案はさせていただくもののサーバー引っ越しは行わない場合もあります。
2.SSLサービスの料金が高額な時
多くのサーバー会社では無料でも利用可能なSSLサービスを提供しています。ただ、サーバー会社によってはSSLサービスは有料で時に高額なことがあります。
サーバー引っ越し作業に伴う費用を踏まえても、今後の有料SSLのランニングコストの方が将来的に負担になる場合には、サーバー引っ越しをご提案しています。その場合は2年間ほどの期間でSSLにかかる費用を考慮すると分かりやすいです。
3.必要な機能がないため作業が行えない時
サーバー会社はそれぞれに特徴があり、利用できる機能に制限がある場合があります。ある国内サーバーでは利用できる機能が他社と比べて制限があるため、ネームサーバーの変更を行うことが出来ませんでした。これは「.com(ドットコム)」のドメインを利用しているとDNSの設定が行えないためです。
お客様からご依頼いただいたホームページの変更内容を反映するにあたって、サーバーの機能不足を理由に作業が行えない時はサーバー引っ越しを一つの解決策としてご提案しています。この場合にも費用対効果が本当にあるのかを検討することをオススメしています。
4.サーバー上のマルウェアが削除できない時
ホームページがハッキング被害に遭い、マルウェアがサーバーに居座ってしまっている状態では、マルウェアはサーバー上からGoogleの信用を下げる行為を繰り返すことがあります。通常、マルウェアは気づき次第すぐに削除するのが好ましいですが、時々、何度削除しても自然復活してしまうマルウェアがいます。
このような場合は完全に取り除くことが難しいと判断し、現在のマルウェアが自然発生するサーバーから新しいサーバーへの引っ越しをご提案しています。マルウェアの脅威を確実に止めることができるため、引っ越し費用はかかりますが、会社の信頼を失墜させる可能性を防ぐことが出来ます。
マルウェアを理由にサーバー引っ越しを行ったお客様事例をこちらで詳しくご紹介しています。
5.サーバーが理由で作業に時間がかかりすぎる時
サーバー会社はそれぞれに提供サービスが異なります。中には手間のかかるシステムやUIでのサービス提供を行っているサーバーもあり、そのためにホームページ上の日々の作業にも多大な時間がかかる場合があります。
あるお客様が利用されていたサーバーでは、提供されているシステムが非常に古く、簡単な作業にも長時間かかってしまっていました。その作業時間を短縮するため、サーバーの引っ越し作業をご依頼いただきました。結果、サーバー引っ越しによって作業時間が楽になったそうです。
6.PHPのアップデートを安全に行いたい時
お客様から「ホームページの動作がおかしい」とご相談があり、ホームページを内部から確認したところ、原因がPHPの古いバージョンにあると分かりました。PHPが古いためワードプレスが機能しなくなりつつあり、バックアップも取れない状態で、他の機能も使えなくなっていました。
PHPの更新を行うに当たりサーバーを確認したところ、他にも2つのホームページデータが確認できました。そのため、お客様ご了承のもと、今回作業が必要なホームページのデータだけを別サーバーへ引っ越しさせ、その上でアップデートを行いました。
引っ越しにより、他の2つのホームページには影響を及ぼさない状態で作業を行うことが可能になりました。
7.サイトの表示スピードが遅い時
「ホームページの表示スピードが遅いかも?」と感じる時は、サーバーの性能が影響していることが多々あります。検索エンジン(Googleなど)にホームページの表示スピードが遅いと判断されてしまうと、検索順位にも影響すると言われています。
ホームページの表示スピードが遅くて悩まれている時は、より性能の高いサーバーへ引っ越しを行うことで解決できることも多いです。
サーバー移行についてのまとめ
サーバーの引っ越しは必要に応じて行うことで、現状ホームページが置かれた好ましくない状況を解決できることがあります。サーバー引っ越しによるリスクを理解しながら、ホームページの運用目的に合わせて検討するとGoodです。